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引越しのお話

 昨日のふるさと話の続きです。

 数えてみたら、僕はこれまで8回の引っ越しを経験している。山口時代に1回。高校卒業と同時に父親の転勤で広島へ。翌年、進学のため上京し、目白の高台にある寮に入った(今でも、この寮の近況を知らせる新聞が僕のところにもせっせと届けられています。本当に律儀な寮なんですね、ある意味)。ここで過ごした4年間は、健全な学園生活を送っている中国人学生であるみなさんの模範となるものでは決してない(?)ですから、ここでは詳しい説明を省きます。一言でいえば「精神的綱渡り」の時代でした。学部卒業と同時に、都電荒川線で30分ほどのアパートに引っ越し、修士課程修了後、さらに北上して埼玉県境の4畳半一間へ引っ越すことになりました。引っ越すたびに部屋はどんどん小さく、安くなっていったわけです(笑)。

 その間にも、父親はすっかり転勤づいて、「1年おきに」といっていいくらいに引っ越しを繰り返していました。広島・山口を何度か行き来したあと、兵庫、大阪、奈良、和歌山、ついには瀬戸内海を泳いで渡って(これはウソ)四国は徳島にまで引っ越し人生を重ねていきました。

 おかげで、夏、お盆の季節に帰省しようとするたび、僕は実家がどこにあるかを知らず、帰る前の日に母親に電話を掛け、「うちどこ?」と聞かなければならないほどでした。たまたま僕の隣で会話を聴くともなく聞いていた人は、びっくりしたような顔で、まじまじと僕を見つめたものでした。

 実家の場所が次々と変わるのは、半ば奇妙な感覚であり、半ばは楽しくって仕方ありませんでした。帰省というよりは別荘への避暑旅行に近い感覚、といえばそれに近いでしょうか。

 まあ、とにかくそんなふうにして、僕の20代は通り過ぎていった。

【語注】 (written by さん)

目白【めじろ】:日本东京都丰岛区南部的地区。因区内有目白不动明王(ふどうみょうおう),故名。
高台【たかだい高くて平らな土地。
せっせと:仕事などを、休まずに一所懸命にするさま。
律儀 【りちぎ】:①義理がたいこと。実直であること。②健康なこと。壮健。じょうぶ。
省く 【はぶく】:①除いてへらす。けずり捨てる。②簡略にする。節約する。③係累が少ないようにする。④分配する
綱渡り 【つなわたり】:①空中に張った綱の上を渡り歩く軽業(かるわざ)の芸。②危険を冒して物事を強行することのたとえ。
都電 【とでん】:東京都経営の路面電車。
一間 【ひとま】:①一つの室。一室。②柱と柱との間一つ。③縦横とも柱間一つで、ほぼ1坪の部屋。
行き来 【ゆきき】:(いききとも)①行くことと来ること。行ったり来たりすること。往来。②交際。つきあい。
瀬戸内海 【せとないかい】:本州と四国/九州とに囲まれた内海。沖積世初期に中央構造線の北縁に沿う陥没帯が海となったもの。大小3千の島々が散在し、天然の美観に恵まれ、国立公園に指定されている。沿岸には良港が多く、古くから海上交通が盛ん。
まじまじ:視線をそらさずに見つめるさま。

Comment

Re: 引越しのお話

先生、私も何度も引っ越しすることが経験しました。でも、先生のような感じが全然ないです。なぜならというと、うちの引っ越しは全部この小さい町の一端から別の一端までです、結局、最初の家に戻りました。私の故郷の町の一端から一端までの距離はどのぐらいですかと聞いたら、僅か千メートルにすぎないです。v-284

Re: 引越しのお話

引越し生活に富んだ先生ですね、昼ねせずに、ブログを更新するとは思わなかったんです。午後の先輩たちの授業にふらふら死ながら、喋り続ける課も知れないなと思いますね。ま、近頃、引越しなくてもすむんですよね、定住する生活に慣れましょう。

破布さん

へー、それもまたおもしろいね。そういう小さな町に僕も行ってみたいなあ。

蟲くん

やること、いっぱいあるから、ちょっとの時間を利用してブログも更新しておかないとね。神出鬼没で書きつなぎます、ははは。

Re: 引越しのお話

私も引越しの経験があります。36平米のぼろぼろの家から130平米の大きい家に引越したのですが、夢の中はいつもそのぼろぼろの家です。翌日目が覚めると、いつもある笑い話を思い出して、思わず笑いました。
ある金持ちは自分の豪華な別荘の前の石の椅子をベッドにしている乞食がいつも自分の部屋をじっと見ているのに気がつきました。聞いてみたら、あの乞食はもし自分がそんな別荘に住んでみるチャンスがあったらどんなに喜ぶことでしょうかと言いました。金持ちはとてもやさしい人でした。乞食に「じゃ、これからの三日間私の別荘に泊まってあなたの夢をかなえてあげるよ」っていいました。乞食は喜んでその憧れの別荘に泊まりました。でも、二日後、金持ちは乞食がまたその石の椅子に寝ているのを見て、驚きました。「私の別荘よりここが住み心地がいいか」ってきいたら、乞食は「違います。私はここに住んでいた時、いつもその別荘に住んでいる夢を見ましたが、別荘に住んだら、よくここに住んでいる夢を見ました。そういう夢が怖かったから、戻ってきました。」って答えました。これはその笑い話です。
へへ、実は130平米の新しい家は住み心地がいいですが、36平米のぼろぼろの家での子供時の思い出がないから、夢の中にいつもそのぼろぼろの家でした。

Re: 引越しのお話

今学期、先生がブログで大変お疲れ様でしたでしょう「やること、いっぱいある」から、ある日、朝寝坊でもしてみたらいいじゃない?ははは

ひまわりさん

僕も、10歳から18歳まで、上下水道もガスも通っていない超田舎の一軒家で暮らしていました。自分で薪を割ってお風呂を沸かし、のんびりと湯につかることのできる生活…今でも、心の中でそういう生活を再び夢見ている僕です。

会说话的椰子さん

そうね、週末はちょっと朝寝坊させてもらってます、へへ

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Re: 引越しのお話

引越しの話題に出会った以上、また何かを書きたくなります。うちも親が別の省で仕事しているために、引っ越しました。でも、中国では転校することはむずかしい(特に貧しい地区から富の地区へ)ので、私一人をふるさとにのこしてしまった。そして、休みとなると、私はどこに帰るかわかりませんでした。例えば週休二日、しかたなくて、学校に留めることよくあった。もちろん、夏、冬休みは家族のそばに戻りますが、戻っても、知り合いがないので、親しく感じられません。親と兄弟が家を出たら、また独りになってしまい、テレビばかり見て、毎日を送る。
  大學に入ってから、一度もふるさとへ帰ったことはないです。正月の時、友達に電話をかけたら、「この間、同窓会を開いたよ、楽しかった。」と聞いて、落ち込んでしまった。
  僕も、今年の冬休み、帰ろうかな

Re: 引越しのお話

引越しの経験は一度しかありません。

別荘にも住みたいですな~~猫も犬も小鳥も何匹飼って……
自分のsecret gardenを作ります。
O(∩_∩)O

風の歌を聴けさん

故郷は遠きにありて思うもの、なのかもしれないね、やっぱり。
実は僕も故郷を離れてから同窓会に出たことが一度もないんですよ。

Re: 引越しのお話

そんなに多いのところで住んだことがあるから、旅行みたいですねえ。
私はただ1回の引越し経験がある。引越したてさびしかった。

蛋炒饭さん

僕も生まれて初めての引っ越しは、やっぱりさびしかったです。
市内の引っ越しだったにすぎないのですが、それでも校区が違うので、転校しなければいけなかったし…。すぐに慣れはしましたけど^^

Re: 引越しのお話

面白さもありますが、私の場合はむしろ悲しいですね。もし、ひょいと自分の根がどこかということを考えたら、なんか悲しいですね。幸いに、先生は今中国にも日本にも根がつくところができましたね。
 故郷には、今新しい家ができたが、私にしては、たびたび夢見るのは相変わらずあの古い家のほうです。みずぼらしいけど、私の成長を見守ってくれたものですね。
 

Re: 引越しのお話

私にしてみれば ふるさとは 家の場所という具体的な所より 家族みんなと一緒の暮らしという抽象的な思いでのほうは もっと相応しいと思います。
家は何回も引っ越ししても 家族みんなと一緒に楽しく暮らせば どこでもふるさとだと思います。
こうしてみると ふるさとは ただ人の感情や理想などの託す所かもしれませんね。

Re: 引越しのお話

目白【めじろ】:日本东京都丰岛区南部的地区。因区内有目白不动明王(ふどうみょうおう),故名。
高台【こうだい】:①高い建物;②手紙などで、相手を敬っていう語。貴台;③高くて平らな土地。たかだい。④茶碗などの底につけられた脚部。
せっせと:仕事などを、休まずに一所懸命にするさま。
律儀 【りちぎ】:①義理がたいこと。実直であること。②健康なこと。壮健。じょうぶ。
省く 【はぶく】:①除いてへらす。けずり捨てる。②簡略にする。節約する。③係累が少ないようにする。④分配する
綱渡り 【つなわたり】:①空中に張った綱の上を渡り歩く軽業(かるわざ)の芸。②危険を冒して物事を強行することのたとえ。
都電 【とでん】:東京都経営の路面電車。
一間 【ひとま】:①一つの室。一室。②柱と柱との間一つ。③縦横とも柱間一つで、ほぼ1坪の部屋。
行き来 【ゆきき】:(いききとも)①行くことと来ること。行ったり来たりすること。往来。②交際。つきあい。
瀬戸内海 【せとないかい】:本州と四国/九州とに囲まれた内海。沖積世初期に中央構造線の北縁に沿う陥没帯が海となったもの。大小3千の島々が散在し、天然の美観に恵まれ、国立公園に指定されている。沿岸には良港が多く、古くから海上交通が盛ん。
まじまじ:①たびたびまばたきするさま。また、眠れないさま。まじりまじり。②恥じず平気なさま。しゃあしゃあ。③視線をそらさずに見つめるさま。④「もじもじ」に同じ。

麦畑の守り者さん

そうですね。思い出というのは、ちょっと甘くて哀しいものでもあります。
麦畑さんの気分に同感^^

xianさん

へへへ、xianさんの意見にも「同意!」だなぁ。

Re: 引越しのお話

え? ただ“「同意!」だなぁ” だっけ
そう見れば 完全に同意ではありませんという意味ですね 
でも 無理やりして自分の意見を他人に受け入させるつもりは全然ありませんし へへ

xianさん

ごめんなさい。僕の返事が、言葉不足、舌足らずでした。xianさんの「家族みんなと一緒の暮らしという抽象的な思いで(出)」という言葉に強く「同意!」したのでした。決して無理して、ということではありませんからねー><
僕にしてみれば、故郷というのは「魂の帰りつく場所」なのであり、その場所に帰ってゆくために遠く旅することが「生きる」ということなのかもしれません。しかし、その故郷は、必ずしも生まれた場所を意味するものでもありません。
へへ、ところで、僕の魂が帰りつく「ふるさと」って、いったいどこなんでしょうね?

Re: 引越しのお話

ところで、僕の魂が帰りつく「ふるさと」って、いったいどこなんでしょうね----あれは先生の心にいないじゃないんですか へへ

xianさん

もし魂の安住の地が「ふるさと」なら、僕の本当のふるさとは、これまでに出会った、そしてこれから出会うであろうみなさんの心の中なのかもしれません…これはちょっと蛇足でしたが。
 
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