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僕がTOKYO大好き少年だった頃…

 古い話だけど、僕は大学に入学したのをきっかけに10年間東京で暮らした。まず、僕が上京して目白の高台にある「何となく胡散臭い」学生寮(これがどんな寮であったのかお知りになりたい方は、村上春樹『ノルウェイの森』をご一読ください…ある程度想像できると思います。)に入ったのは、1978年4月のことだった。本当にカビの匂いでもしそうなほど古い話だ、と僕も思う。その頃の学生たちは携帯電話なんて持っていなかったし、パソコンなんて言葉も知らなかった。だからといってこん棒を振り回してマンモスを追いかけていたっていうわけでもないけど。ま、冗談はさておき、高度経済成長が終焉を迎え、しばしの混迷期を経て、日本経済は安定成長期に移行しはじめていた頃の話です。それは、ある意味で、のどかな時代だった。もちろんそれは、世間のことなんてろくすっぽ知らない田舎育ちの僕の、いかにも楽観的な社会イメージでしかなかったのかもしれないけど…。

 ところで、僕が品行方正で成績優秀な学生であったかと問われれば、僕は120%の自信を持ってNoと答える。そもそも僕は、何が品行方正で、どれだけの成績が優秀と言えるのか、はっきりとした基準など持ち合わせてはいなかった。たとえば…僕は、本当に気に入った授業以外出るきはさらさらなかった。だから、僕を探そうとすれば、教室内をきょろきょろ見回すよりは、僕の行きつけの喫茶店Kか、A書店あるいは古書も扱うM書店を覗いてみた方が、見つかる可能性は飛躍的に上がったはずだ。

 つまり、学生時代の僕にとって、教室よりも、ぎっしりと本で埋まった書店や、買い込んだ本を抱えて居座り、コーヒーをすすりながら新刊書のページをめくることの方に、学ぶべきものがたくさんあったのだ。そういうわけで、当時の大学の先生方にしてみれば、僕なんて、不良学生以外の何物でもなかったような気がする、…たぶんね。だからといって、今、僕の学生たちに同じことをやれ!と煽り立てるつもりはありません。社会の良識にあえて背を向けるのなら、それ相応のしっぺ返しをきちんと受け止めなければならないことになるからです。少なくとも、他人に煽られて気ままな生活を送るような態度では、あとあとの苦難にひとりで立ち向かうことは、たぶん、できない話だと思わざるを得ないから。僕が受けたしっぺ返しもかなりきついものだった。その話は、また別に機会に譲りますけど(笑)。

 東京に住んでいて、僕がいちばん気に入っていたのは、とにかく本屋の数と本の量が多いことだった。第一に、僕の通っていた大学の近くには、世界有数の古書街・神田神保町が鎮座していた。それに、雰囲気のいい喫茶店が、ちょっと歩きまわると見つけることができたことも、僕を東京好きにさせていた。要するに、授業をさぼって、本屋を彷徨い、オアシスを求めるように喫茶店の隅で本を読みながら時間を過ごすのが、僕の「学生生活」だった、ということです。さて、今日の話から、何か教訓が導き出せるのか、それは僕にもわからない。う~む。

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Re: Re: 僕がTOKYO大好き少年だった頃…

僕のささやかなメモワール(個人史)をしっかりと読みこんでくれて、こちらこそ「ありがとう」のひと言をあなたに。どもども、です(←この最後のひと言が余分なんだよな、きっと僕の言葉ってやつは…)
 
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