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クリスマス 457年の時を越えて

 師走とはいえ、少し気が早いけれど、クリスマスの話題を。

 武漢では、すでにいたるところでクリスマスの飾りつけが始まっている。もちろん、日本でも年末商戦の一つのピークがクリスマスで、商店街のあちらこちらでジングルベルの音楽が流れ、緑と赤の装飾に埋め尽くされているのではあるまいか。クリスマスは本来、イエス・キリストの生誕を祝う宗教行事ではあるけれど、日本でも中国でも、そうした宗教感覚は希薄で、一般的には、たんなる「お祭り」として受け入れられているにすぎない(もちろん、クリスチャンにとっては、聖なる一日であるにはちがいないけれど)。

 僕にとっても、クリスマスソングや鈴の音が聞こえてくると、なぜかしら胸が騒ぐ。デコレーションケーキとその上で灯る蝋燭の火が脳裏をかすめる。やはり僕にとってもクリスマスは宗教感覚抜きのお祭りなのである。日本人というのは、外来文化を換骨奪胎して自らの文化に吸収することに長けている。そのことはクリスマス一つをとりあげても、頷ける。

 ところで、こうしたクリスマスの催し。日本で最初に行われたのはいつ頃かというと、案外古い。実は、今を遡ること457年前、西暦で言えば1552年のことであったらしい。折しも、時は戦国時代、場所は長門国。つまり、僕のふるさと山口だったのである。これには少し説明がいる。1549年にイエズス会のフランシスコ・サビエルが来日。山口を拠点として、キリスト教の布教に努めた。というのも、応仁の乱後、京の都が戦乱の巷となり、多くの文化人が京を離れて移り住んだほど、当時の山口は文化擁護に努めていたからである。以来、山口は「西の京」と称されてきた。もっとも、サビエルの布教を許した山口の守護大名・大内義隆は、1551年に家臣の陶晴賢に滅ぼされている。日本で最初のクリスマスは、その翌年のことだったのである。ちなみに陶晴賢も、間もなく、毛利元就に滅ぼされる。

 こうして、日本におけるクリスマスの起源を見ていくだけでも、人生の移ろいやすさを読み取ることができてしまうのである。私事で恐縮だけど、去年のクリスマスは、僕自身があやうく命を落としかけてしまった。『敦盛』ではあるまいし、「人生五十年、化転のうちを比ぶれば」と謡われたのでは、洒落にもならないところだった。今年のクリスマスは、たとえささやかでも小さなケーキを買って蝋燭の灯をともし、この1年間の無事を祝いたいな、と思う。遠きふるさとのサビエル記念聖堂を思い出しながら。もしよかったら、誰か、一緒に食べますか?

 

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