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僕がショートメールを削除できない理由

 僕は中国に来るまで携帯電話というものを持ったことがない。必要に迫られて、今では片時(1)も離さず持ち歩く(2)ようになっているけれど、こちらから電話をかけたり、ショートメールを送るなんてことはめったに(4)ない。いただいたショートメール(3)に日本語(ただしローマ字)と中国語の入り混じった(5)返事を書くのが関の山(6)だ。そういうわけなので、いただくメールも多い方ではない、と思う(誰かと比べてみたわけではないけれど…)。

 それでも、日に何通かは(たいていは学生からの質問や頼みごと(7)です)ショートメールが入る。ところが、たまに一日何のメールも入らず、あれっ?っと思って携帯画面を見ると、「受信箱ハ容量不足デス。不要ナめーるヲ削除シテクダサイ」と書いてある。

 どうやら(8)僕は、必要なものと不要なものをてきぱき(9)と選り分け(10)、「要らないモノ」をさっさと(11)(12)に消し去って(13)しまう、といった能力に欠けて(14)いるらしい。何がどうというわけで(36)もなく、ただ消すに忍びなかった(15)メールだとか、あるいははっきりと削除する勇気が持てなかったものだとか、つまりは僕の優柔不断(16)(17)のせい(34)で、いつの間にか(33)受信箱に積み上がって(18)しまったショートメールが、新しいメールをはじき出して(19)しまっているのである。

 考えてみれば、僕は万事何かを「捨てる」ことができない性格のようである。そのせいか、僕の部屋はいつもゴミ・ガラクタの類が所狭し(20)と居座り(21) 、自分の領域を主張している。見るに見かねた(22)(35)院生のW君あたりが―たとえば僕が帰国している隙(23)に―そうした「不要なモノ」きれいさっぱり(24)処分してくれていて、大いに(25)助かることがある。

 ショートメールもそうしてもらえばいいのかもしれないし、あるいは一定の時間が経過したものは情け容赦(26)なく自動的に削除されるようになっていればいいのかもしれない。でもショートメールにこめられた「気持ち」を考えると、僕は、それをうかつ(27)に削除してしまう気には、どうしてもなれないのである。部屋に散乱するガラクタ(28)の類も右に同じ…。

 

 かくして、僕の身の回り(29)には、消えそびれた(30)記憶たちが厚い層をなして降り積もり、僕をじっと(31)とり囲んで(32)いるのである。

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Author:一石亭華中
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でも中国語はまだ初歩の初歩。
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